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背景の強みと没入感:天気の子4ヶ月遅レビュー②

えー、天気の子レビュー、第2弾。

今回は、背景がもたらすメリットの続きと、没入感の高い演出について語りたいと思います。

 

レビュー?

それは解説なんじゃないかって?

 

 

いいんです。ここは好きに語るブログなんです。

 

 

背景の新海誠

元々、新海誠監督のデビュー作「ほしのこえ」でも言及されてましたが。

監督の作品は背景描写がとんでもなく細かいんですよね。

実際の風景を写真や動画にして、さらに色彩鮮やかにしながら光芒を出したりと、綺麗にその風景を魅せるセンスがとてつもなく優れています。

 

その中で「君の名は」で一躍有名になり。

有名税は便利なもので、恐らく資金繰りはかなり楽だったのではないでしょうか。

 

 

企業の面目が立てられる

普段アニメは、敢えて企業名をぼやかしたりして避けるものです。

出資や協賛などがない場合にみだりに実名を出す行為は、様々なコンプライアンスが関わってきてしまうからです。

カッコよくコンプラとか言ってみました。

 

また、映画のアニメーションで派手なアクション物の作品は避けたほうがいいでしょう。

もし協賛の企業名が入ったビルなどが崩れたら、それをよく思うか、と言う話です。

演出上話し合っていれば良いものの、それを快く思わなければスポンサーから外れるかもしれません。


その点でも、天気の子では会社名を背景の使いまわしにより、敢えて目視しやすくなってます。

アクション物で破壊行為もない為に、協賛企業の面目を立てたまま作品作りができます。

 

野球観戦中に家電屋のPOPが見えるのと同じような物ですね。

 

 

いわゆる背景ビジネス

また、実際にモチーフとした廃ビルがありましたが。

ここ数年、アニメ業界では聖地化ビジネスが流行りです。

モチーフの寺や名所などを公開、もしくはファンによる特定からの拡散が成されると、オタクは行ってみたいと思うようです。

おかしいな、僕もオタクだけどそんなのないんだけどな。

 

ま、それはともかく。

そのおかげで足を運ぶ人が増え、そこが町おこしや名所化する事で金回りが良くなるんです。

 

もちろん、これは人気作にならなければ、なし得ないビジネスです。

ただ、その保証は既に「君の名は」で築き上げられたものではありましたが。

 

しかも、原作はなく完全にオリジナル。

例えば、元をたどればこの手のビジネスでは京都アニメーションの「らき☆すた」や「けいおん!」などが有名です。

それは原作の認知度からくる相乗効果の影響で、単体のオリジナル作品でここまで聖地化できるアニメは少ないでしょう。

 

 

 

没入感が高いアニメ映画

また、演出面においては、アニメでありながら、実に世界観に入りやすい映画だと感じられます。

それは恐らく、実際の東京の風景を使っているからだと思われます。

 

現実と同じ世界観、つまり、私達の日常とリンクさせるには、説得材料が必要です。

 

 

 

東京を思い浮かべながら

話を反らします。

有名なお芝居で「ゴドーを待ちながら」と言う戯曲がありまして。

その劇では、ゴドーと言う人間が何者なのかを当人を一切出さずに登場人物が語り部として喋っていくお芝居になります。

 

一切出さずに登場人物像を浮き彫りにするのは何とかできなくないですが、現実の世界観を見せずに語るのは無理難題です。

いわゆる演劇舞台の何もない状態で、ビルや車を何も出さずに見せられるかと言われればわかると思います。

 

ビルや日用品、バイクやネカフェなどの小道具に至るまで、それら現実にあるものを使わないと、あの東京のビル群や喧騒とした世界観は語れません。

東京ってこんなんだよね、と思わせる説得材料は東京の風景そのものなのです。

中途半端に店名が変わったビルや飲食店を出すのでは「はいはいコンプラのせいでアニメによくある奴」で、現実味が薄れてしまうのです。

 

 

 

小道具に至るまで

そのために、さらに企業名・商品名を使ったアイテムを利用する事で現実味を帯びた世界観にしています。

 

ドン・キホーテも名前を実際に出したり。

求人のバニラも流してみたり。

劇中でも、ビックマックどん兵衛など、実際の食べ物も出ていましたし。

ヤフー知恵袋もありましたね。

これらは僕達が町中で見たり、コンビニで何気なく手にとったり、スマホで閲覧するサイトばかりです。

 

また、完全にこれは偶然でしたが、公開時期の7月は天候が雨天が多く、いわゆる冷夏でした。

7月に雨が多い実際の天候と、劇中の雨が振り続ける東京都の事象が、見事に創造と現実世界とのシンクロ率を上げてくれていたんです。

 

比較で入場・退場時の風景の比較写真を挙げたTweetが、物凄いバズり方をしたのを思い出します。

 

また、劇中にあったオカルト雑誌「ムー」も、確か実際に天気の子の晴れ女をピックアップした特集記事を載せたものがあったはず。

 

僕達が普段見ているものが劇中にも同じ名前やロゴとして出る分、現実味を帯びた作品のような感覚が芽生えている。

これらは実写映画ではよく見ますが、アニメーションでここまでやった作品は恐らくないと思います。

 

 

あとがき

語る事が多い!!

ここまで多くする必要が果たしてあるか分かりませんが、とにかく多い!!

 

自分なりに短くしてみても、これを読んでくれる人がいるのか。いやいない。

 

いいんです。趣味のブログですので。

これが暇つぶしになればそれでいいんです。

 

さー次は人物に関して語りましょう。

長くなるなぁ。